1番いいと思う設定をしてきたけど、間違いだったかもしれない

僕はうどんを食べるとき、七味を山ほどかけていた。
もう冬なんて特に。
やっぱ寒いときには七味たっぷりかけすぎたくらいのうどんをズルルッ!と食って体温めなきゃな!くらいの気持ちだった。

で、ある日ある女性と一緒にうどんを食ったときに「最初からそんなに薬味を入れるのは作った人に対して失礼だ。まずはプレーンで食べなさい。」と言われた。
当時の僕はまだ尖っていた時期だったので「俺にとってのうどんの七味っていうのは、寿司で言えばワサビなんだよ。デフォルトで用意されてるものだ。最近はない方がいいという人もいるから、無い選択肢でも提供されるのだ。そりゃあ俺だってカレーに、それも食ったことのないカレー屋に行ったときに、いきなりソースをドボドボかけるような連中は嫌いさ。まずは一口食べてから調節しようぜ、と思う。でもうどんに関しては、これがデフォルトなんだ。標準なんだ。」と反論した。
そしたらその女性は少し僕の顔を見た後、返事をすること無く七味の入っていないうどんをズルズルと食べ出したので、僕も七味の山ほど入っているうどんをズルズルと食べた。
その話はそれっきりだった。

それから数年経った今。
今さらながら彼女の助言が正しかったような気がして、外食してうどんを食べるときには、まずは何も載せずに食べることにしている。
結局一口二口食べた後に七味を山盛りにしちゃうんだけど。
でも、寿司のワサビと違って、うどんの七味はこっちで完全にコントロールできる。
テーブルの上に七味が置いてあるのだから、好きなときに好きなだけかければいいのだ。
七味をかける権利はいつでもあるのだから、まずはシンプルなものから食べて、少しずつ味付けを変えて楽しんでいけばいいのだと思うようになった。

当時の僕に足りなかったのは変化を楽しむ余裕だ。
僕は七味がてんこもりのうどんが一番良いと思ったらそれだけを得ようとしていた。
でも実際は、いくら好きなものでも毎日食べれば飽きるように、たとえ1食のうどんの中でも、少しでも味の変化が作れるのであれば、それを楽しんで食べられればもっと美味しく食べられたはずだ。

今日もまた、僕はそんなことを思い出しながら、何もかけないうどんを一口だけ食べて七味をかける。

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