直球回答 Straightanswer.org はインターネットを変えうるのか(そして現代の UGC について)


最近、直球回答 Straightanswer.orgというサービスを知って、めちゃくちゃ良いな~と思ったので、まずそれについて書きます。

要は自分で質問と回答の両方を投稿して、事実ベースの Q&A ナレッジを集積するサイトなんですけど、トップページを見た僕や皆さんの想像通りこういうことらしいです。

(さらに詳しい話は 直球回答 Straightanswer.orgを公開しました | 思案試行

こういうインターネットでみんなが抱えている課題を UGC で解決しようとするサービスってめっちゃ良いですよね。

ローンチ当初は OGP 画像で回答まで載せてたらしいんですが、そのストイックさには美しさを感じます。

で、これからめっちゃ伸びてほしいな~と思って「Amazon.co.jpでPayPayは利用できますか?」という Q&A を投稿したりして何日か利用してみたんですが、その間に「Google と一般的な UGC サービスが抱える課題」的なことについて考えたので、つらつらと書いてみます。

(上で挙げた運営者さんの記事と内容が結構カブってます)

で、まず、Google の話をします。

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」というのはわりと有名なフレーズですが、明文化されてないアディショナルな目的として「知りたい情報に迅速にアクセスできるようにする」というのがあると思っています。

Google が創業前後に検索エンジンシステムを Yahoo! とかに売り込もうとしたけれども、ポータルサイトは自分のサイト上に長く滞在させようとする一方、Google は情報に素早くアクセスできることを重視したので話がまとまらなかったという話があるそうです。(というのを最近とあるインターネットの記事の有料部分で知りました)

まあ、そんな話を持ち出すまでもなく、使っている人が非常に少ない[要出典]「I’m Feeling Lucky」機能を未だにトップページに備えているんですから、一発で回答にたどり着きたいという夢はまだ潰えていないのでしょう。

広告で売上を立てているグーグルが、広告を全く見ることなく検索機能を利用できる手段を未だに残してしてるのはめちゃくちゃカッコイイと思うんですが、残念ながらそれはあまり上手く機能していないように見えます。

Google も我々も、知りたい情報に直接アクセスできるインターネットを構築できませんでした。

それどころか、Google という優れた検索エンジンがあるにも関わらず、そのアルゴリズムの更新頻度を超えるスピードで、不必要な引き伸ばしをしているページが量産されているのは皆さんのご存知のとおりです。(個人的にはセマンティックウェブやパーマネントURLという概念がそれほど浸透していなかった時代の検索体験も微妙だった気もするのですが、それについてはまた別の機会に)

で、そういう状況を Google が傍観しているのかというと、もちろんそんなわけではなく「1ドルを円で」や「ビルゲイツの資産」とサーチバーに入力すれば、検索ボタンを押すまでもなく知りたい情報が表示されますし、「昭和58年を西暦で」と検索すれば強調スニペットでダイレクトに回答を教えてくれます。

さらに最近は検索結果に出てくる知りたい情報のセクションに直接(ページ内リンク的に)飛ばすということもありますね。

その他にも、2020 年には Google の社内ベンチャーが Keen というキュレーションサービスを出していたりしますが、これも今の検索結果が完璧ではないと感じていて、もっと違った情報整理のアプローチを検討しているんではないかと思ってます。

で、次は UGC の話です。

UGC って投稿を集めるのと閲覧者を集めるのってめちゃくちゃ難しいですよね。

特に Twitter などのパブリックな SNS がある現代に、あえて特定のプラットフォームに情報を投稿するモチベーションは何があるんだろうと考えました。

(これは僕の「アルバイト体験記@taikenki.jp」というサービスの課題でもあります。昔は投稿が盛んだったのですが 2021 年の投稿数は 3 件です)

たとえば Yahoo! 知恵袋だったり Quora だったりであれば、質問を抱えている人がインターネットの向こう側に居ることが見えているわけですから、善意で答る人が少なからずいるはずなんです。

でも、自分の投稿だけで完結する情報を投稿して終わりだと、継続して投稿する人は、たぶん相当に少なくなってしまいます。

これらは情報を追加していく CGM でも、Wiki のように編集していくものでも同じですね。

このあたりのモチベーションを上手く引き出しているのが、ニコニコ大百科だったり、ピクシブ百科事典や Fandom に類する文化ですよね。

ニコニコ大百科はコメント欄もあるので特にそうですが、コミュニティーに付随するものとして情報を蓄積していくというのは、昔の個人運営のゲーム攻略 Wiki や、2ちゃんねるのまとめ Wiki などと同じく親和性が高いです。(Chakuwiki も情報集積とコミュニケーションのハイブリッドでしたかね)

一人で情報を蓄積していくのはつらいけれども、みんなでやると楽しいしやりがいがある!というのは、結構わかりやすいんじゃないでしょうか。

また、特殊なケースとしては「まずは一定の人数のMathpediaの記事執筆者を募り、その方々には月額2万円の執筆料をお渡しする事としております」と銘打っているMathpediaなどもあります。

とまあ、こうやって投稿・編集を集めるのも結構難しいんですが、それ以前に閲覧者を集めるのも難しいです。

一般的な UGC はコンテンツがないと閲覧者が増えなくて、閲覧者がいないと投稿がされなくてコンテンツが増えないというジレンマを抱えていますが、特に直球回答 Straightanswer.org の場合は、コンテンツが増えてもそれが閲覧者の増加に直接的に寄与しないというのが難しいです。

じゃあどこから人が集まりやすいかというと、例えば自分が直球回答 Straightanswer.org を知ったのは「貼り付けのキーボードショートカットがCtrl + vである理由」という投稿なんですが、これって調べようとして調べるものではなくて、不意に知ると嬉しいトリビアのたぐいだと思うんです。

調べたい情報というのは基本的に検索キーワードなりを入力して pull して得る情報ですが、そういう情報は汎用性が高くないので、それこそ Google レベルに情報がデータベース化されていないと人にリーチしにくい。

その一方でトリビアのような push 型の情報は、その情報を知ろうという意識をもたない人にもリーチできるので強いですね。

そして、最後に UGC の機能についてです。

直球回答 Straightanswer.org に Q&A を投稿して、まず「いいねボタンやコメント欄があってリアクション通知が来ると嬉しい!もしくは自分の Google Analytics コードを埋め込める機能を!」と思ったので、それをそのまま問い合わせフォームから要望として送りました。

こういうリアクションを求めるのって、負の側面もあって「NetMode – ねっとも!」というサービスだと、そういう機能をあえてつけていないというのが特徴として About ページに書かれています

ねっとも!はおそらく個人のコンテンツ閲覧ログという目的に特化していて、いいねの数を気にするような人向けではないということだと思うんですが、いいね依存症の人が多い現代にそれをあえて避けているというのはなかなかの勇断です。

このあたりは UGC の投稿が自分のためであるログ寄りなのか、他人のためである寄与的なものなのかがサービス設計に影響しそうです。

そんな感じで…

なんか思いつくままに書いていたら結構な文章量になってしまいましたね。

最後に直球回答 Straightanswer.org の話に戻すと、将来的には Chrome 拡張とかでアドレスバーから Q&A をインクリメンタルサーチできたらめっちゃアツいですよね。

Google や僕らが夢見た「I’m Feeling Lucky」なインターネットを実現するかもしれない直球回答 Straightanswer.org に引き続き注目しています。


“直球回答 Straightanswer.org はインターネットを変えうるのか(そして現代の UGC について)” への1件のコメント

  1. 直球解答 Straightanswer.org さん見てみました。とても良いコンセプトですね!

    私は悪い人間なので悪用する方法を思いつきました。大喜利のプラットフォームにすることです。
    世の中の都合の悪いことや気に入らないことを元マイクロソフトの大富豪やプラズマのせいにする回答をじゃぶじゃぶ投稿するなどです。

    私はプラットフォームの参加人数が増えると偏差値の低いユーザが増えてくると信じているのでこの点を心配しています。

    直球解答 Straightanswer.org さんにはこのまま素晴らしいコンテンツを提供し続けるプラットフォームであり続けてもらいたいですね。

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